早朝のエントリにも書きましたが、昨日WISH2009というイベントに参加してきました。これは、「ウェブの未来を担う可能性を発掘・共有・応援しようというイベント」。ウェブ関連サービスや端末を開発している企業・個人がプレゼンテーションを行い、その知名度を高め、飛躍するきっかけを与えようという企画です(って、コピペかよ)。
あまり大々的に宣伝されていた印象も無く、私自身Twitter経由でたまたま知ったのですが、会場は超満員状態。開催者発表によると定員300名のところ400名くらいつめかけたようです。私は少し遅刻気味に入場したので、危うく席が無くなって立ち見になるところでした。 一般参加料3,000円と有料イベントであることを考えると、この盛況ぶりはすごい。
イベント内容は、予め先行されたウェブ関連サービスの開発者(企業・個人)が、そのサービスについて7分間のプレゼンを行い、審査員と一般客の表彰により各賞を表彰するというもの。
プレゼンターは以下の14組(敬称略)
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慶應義塾大学 ユビキタスコンテンツ・プロジェクト
- xtel(エクステル:ユビキタスコンテンツ・プラットフォーム)
- ユビキタスコンテンツを効率的に生み出すことを可能にするプラットフォーム。家電製品やデジタル機器から、インターネット上のサービスまで、あらゆる情報をプラットフォーム上で容易に組み合わせることを可能にする。
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株式会社コニット
- iPhone用コンテンツ課金サーバソリューション
- コスト負担の大きいiPhoneの課金サーバを代行運営し、アプリベンダーを支援する。
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サイドフィード株式会社
- Joker Racer
- 省電力Linuxサーバと無線LANを搭載したラジコンを、インターネット経由でリアルタイムに操縦できるサービス。
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三三株式会社
- Link Knoledge
- 名刺を活用した顧客管理(CRM)、営業管理(SFA)管理ソリューション。
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ソニー銀行株式会社
- 人生通帳
- お金の動きがわかるカレンダーで、不審な出納も一目瞭然。
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田口元(百式)
- ACTION*PAD
- URLとパスワードのみで利用できる超シンプルな約束管理システム
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株式会社ドレスファイル
- ドレスファイル
- しまいきれない衣類を、クリーニングして保管するオンラインクローゼットサービス。
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日産自動車株式会社
- カーウィングス
- インターネット端末としてのカーナビゲーションシステム。
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株式会社ユーザーローカル
- User Insught
- 性別・年齢・地域・業界・アクセス頻度・ネット利用度などの情報を取得し、「どのユーザー層」が「どんなページに興味を示しているのか」まで知ることができるアクセス解析ツール
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ランゲート株式会社
- Lang-8
- 学習したい言語を母語とする人たちに文章を添削してもらい、自国語を学習したい人が書いた文章を添削する相互学習サービス。
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Akky AKIMOTO
- 読んだ4!
- Twitterで読書記録ができるサービス。つぶやくだけで、読書記録ができる
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株式会社こくばんin
- こくばん.in
- 黒板とチョークに模したユーザーインターフェイスで落書きができるサービス。低年齢者向けUGC。
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株式会社サンゼロミニッツ
- 30min
- 個人のブログが発信するクチコミ情報や、お店のブログが発信するイベント情報や新商品情報などを、地域やお店ごとに自動分類して掲載するサービス。
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株式会社Cerevo
- 使い勝手の良いネット対応カメラ(リンク先はascii.jpの記事)
- カバンの中に入れっぱなしでも、無線LAN環境で自動的に写真をサーバにアップロードしてくれる共有重視のネット対応カメラ。
7分間という限られた時間の中、ほとんどのプレゼンターが時間切れになってしまうという残念な状況はありましたが、さまざまなWebサービスの存在を確認することができたのは大きな収穫でした。
そして、何より楽しかった。
審査結果は、
- AMN賞 - JOKER RACER
- ギズモード賞 - xtel
- CNET賞 - Action*Pad
- ITmedia賞 - Lang-8
- Impress賞 - cerevo
- NIKKEI BP賞 - ドレスファイル
そして、栄えある大賞は…?!
サイドフィード株式会社のJOKER RACERでした。
うーん、やはりな。と言った感じ。一番エンターテイメント性に優れているし、プレゼンテーションも上手かった。笑いの要素もあり、圧倒的なインパクトもありました。
私も一般投票で最高点入れましたし。
しかし、「ウェブの未来を担う可能性を発掘」というイベントの趣旨から考えたらどうなんでしょうね?
JOKER RACER は、確かに面白いし、私たちが考えているラジコンの概念を覆すような歴史的な発明かも知れません。しかし、「ウェブの未来」と呼べるほどの革新性があったかどうかは疑問です。ここからウェブの何かが変わるという実感はありませんでした。
まあ、私も最高点入れたのは、理屈抜きに「おもしろい!」と引き込まれてしまったわけなのですが…。
私が個人的に評価したいのはクリステル…もといxtelでした。
実は、プレゼン自体はあまり惹かれるものが無かったのですが(すみません…)、帰宅してサイトで確認してみたら評価が変わりました。このサービスは今回ノミネートされた中で、最もウェブサービス全体を革新させるポテンシャルを持っています。
それと、もう一つ気になったのがcerevo。
これまで、大手メーカーしか開発製造が困難だったデジカメを、ベンチャー企業が自主制作して廉価販売しようとしているのは、とても意義あることに感じました。「EVM」と「オープンソース」が、ベンチャー企業による家電品の開発を可能にし、魅力ある製品が次々に登場する時代です。
そのうち、電気自動車なんかも作っちゃったら面白いと思います。
とにかく、WISH2009には大きな刺激をいただきました。私もがんばらないと。